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ドイツ国防相にクランプ・カレンバウアー氏が就任 [アメリカ・ヨーロッパ・ロシア関係]

ドイツ国防相に与党党首のクランプ=カレンバウアー氏が就任(JETRO ビジネス短信)

ウルズラ・フォンデアライエン氏の欧州委員会委員長への指名に伴い、空席となるドイツ国防相にCDU(キリスト教民主同盟)党首のクランプ・カレンバウアー氏が就任することが決まった。このことについて、ドイツの主要メディアは「予想外の人事」と驚きをもって報じているところが少なくない。


フォンデアライエン氏の欧州委員会委員長就任は今年11月1日からだが、今月15日に国防相を辞任。16日には欧州議会から欧州委員会委員長として承認された。メルケル首相は昨年10月に行われたバイエルン州とヘッセン州での州議会議員選挙でCDUが敗北したことを受けて、同年12月に実施されたCDU党首選への不出馬と2021年の首相任期満了での政界引退を表明した。この党首選を勝利し、次期首相最有力候補となっているのがカレンバウアー氏だ。


しかし、カレンバウアー氏も受難が続いている。先日行われた欧州議会議員選でCDUは大きく議席を減らしており、政党別支持率も伸び悩んでいる。また、カレンバウアー氏はザールラント州の州首相は務めていたものの、連邦政府での閣僚経験がない。党首としての名誉挽回と連邦政府での閣僚経験をつけるために、このタイミングで国防相に任じたと見られる。


ただ、ドイツ政局はメルケル首相の健康問題が懸念材料として大きくなっているなかで、カレンバウアー氏の支持率は伸び悩んでいる状況だ。CDUの姉妹政党であるバイエルン州の地域政党キリスト教社会同盟(CSU)はドイツのための選択肢(AfD)の勢力拡大に神経を尖らせており、CDUとCSUの間にも隙間風が生じているようだ。
また、現在は大連立を組んでいる第2党の社会民主党(SPD)も党勢の後退に歯止めがかからない。今年6月に欧州議会議員選挙での敗北を理由にアンドレア・ナーレス氏が党首を辞任して以降、10月末に実施される党首選までは暫定指導体制となっている。こうしたなかで、中道左派票がSPDから緑の党に流出する事態に陥っており、大連立を維持するか解消するかで党内対立が深まっている。


このため、SPD党首選の結果次第では大連立解消も想定されており、そうなればメルケル政権は下院での過半数を維持できなくなり、メルケル首相は解散・総選挙に踏み切る可能性が高いと指摘されている。ドイツ政局の混乱は欧州全体に波及しかねないだけに、注意が必要だ。

(この記事は別ブログにて、7月21日に公開した記事を一部編集して再掲載したものです)
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