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衆院選で勝ったとしても苦労する民主党 [選挙・政党・政局]

こんにちわ。そうてんです。衆院選投開票日まであと一週間を切りました。そういうわけで、今回は衆院選で仮に政権交代を実現したとしても、民主党が抱えるであろう問題を考えてみたいと思います。


まず、衆議院で民主党が単独過半数を得ることはほぼ確実といえます。しかし、だからといって民主党政権が安定するわけではありません。何故なら、参議院では単独過半数ではないからです。確かに、2007年の参院選の結果、野党が参議院で過半数を占めることになりました。現在の野党会派の議席は次の通りになります。

民主党・新緑風会・国民新・日本:116議席
社会民主党・護憲連合:5議席
日本共産党:7議席

これを見ればわかる通り、民主党は国民新党・新党日本との連合会派でも過半数ラインには届かず、社民党と連立してようやく過半数ライン(121議席以上)の上に立つことができます。自民・公明政権の出す法案を否決する場合は日本共産党も反対に回るので、余裕で過半数を超えられるのですが、民主党政権になった場合、日本共産党が反対すれば法案が通るかどうかが微妙な状況になります。

ただし、現在4議席が欠員となっており、うち2つは新党日本と民主党がそれぞれ得ることが決まっています。また1議席は神奈川8区から民主党を離党して、衆院選に出馬した浅尾慶一郎氏の分なので、ここは10月に補欠選挙がおこなわれることがすでに決まっています。


こう見ると「民主系会派と社民が連立すれば過半数超えてるじゃん」と思うかもしれませんが、この両党が全ての法案で意見が一致しているとは言えません。とくに外交・安全保障分野ではこの両者の意見の隔たりは大きいです。もしも、外交・安全保障政策を通そうとした場合に参議院で否決され、国会が空転する可能性があります。

さらに、来年には参議院選挙があります。この選挙は民主党が議席を伸ばした選挙です。来年の参院選でもしも民主党が10議席以上失うと、その後の国会運営がかなり難しくなってきます。まさに2007年に自民党が経験したことを身を持って経験することになるわけです。


今回の衆院選が「政権交代の選挙」と言われていますが、私は「日本の歴史が変わる始まりの始まり」だと考えています。今回の衆院選の結果とその後の政治状況、そして来年の参院選がいわば「第一段階」として存在しているのだと私は思います。
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daisky

こんばんわ、某SNSでもお世話になっております。

カシオレさんの日記は興味深くちょくちょく拝見させて頂いているのですが、
今回の日記はここ最近の選挙に関する様々な日記やブログの中でもとりわけ面白いと感じました。

切り口が、とても興味深いです。

民主党が政権第一党になったら日本が消滅する・・・とか、いやいや、自民党が政権を維持すればもっと腐敗する・・・とか、そういう「予想」と「疑念」だけで議論を展開する人が多い中、起こりうる現実的な未来の話しをここまでわかりやすく書いて頂いた事にとても感激しております。
by daisky (2009-08-25 01:21) 

そうてん

>>daisky様
いらっしゃいませ♪
ほめられるとくすぐったい気持ちになるそうてんですw

来年の参院選は今年9月以降の民主党政権が最初に評価される場です。この間に緊急事態(大規模災害や北朝鮮関連など)が起こった時に対応を間違えれば、その評価を下げることにもなります。もちろんマニフェストでもある程度できることはやらないといけないですし。

ただし、この話の前提として民主党は単独または連立して322議席以上を獲得しないというのがあるので、このあたりも今回の選挙の結果次第だと思います。

ちなみに、私も「予想」をやることはありますが、その場合はしっかりとその論拠を示せるように努めています。それが杞憂で終わるのが1番いいんですけどね(苦笑
by そうてん (2009-08-25 18:01) 

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