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日露原子力協定と経済関係 [アメリカ・ヨーロッパ・ロシア関係]

こんばんわ。5/11から5/13までロシアのウラジーミル・プーチン首相が来日。麻生太郎首相や御手洗経団連会長と会見したりしています。そして、この来日中に原子力協定が結ばれることになっています。原子力協定というのは簡単にいえば原子力関係の技術などを販売するときのルール、とでも言えるかと思います。数年前、アメリカとインドが結んだことで話題になりましたが、今回それが日露間で結ばれることとなりました。


日本は原子力発電関係の技術では世界トップクラスを誇ります。東芝やIHI(石川島播磨重工)など国内外でいくつもの大型原発建設にかかわってきた企業を抱えています。また、例えば原子炉を入れるための容器製造など、原発の大型化に欠かせないものを製造する技術を持った企業も日本国内に多くあります。

ロシアはこのような企業にM&Aを仕掛けようとする姿勢も見せました。とくに去年、ロシアのアルミ王と呼ばれるオレグ・デリパスカ氏が日本製鋼所の室蘭製作所を視察した際に原子炉の心臓部となる圧力容器を溶接ではなくプレスで製造する工場を見て、「買収したい」という発言をしました。このデリパスカ氏はプーチン首相の子分のようになっている新興財閥の1人でした。そのため、日本政府も日本製鋼所も様々な手を使って、買収を阻止した経緯があります。


結果としてロシアは正攻法、つまり原子力協定という『ルール』を決めて、日本の原子力発電所建設技術を得ようとしているわけです。日本としてもロシアが旧ソ連時代からの核開発の中で得たウラニウム濃縮技術などを得ることができますから、プラスになると思います。


このように、ロシアは油断すればすぐに食べにかかろうとするいわば「食肉植物」のような国です。でなければ、あのように厳しい土地で、広大な領土を治めることはできないでしょうね。日本はロシアとはまさに「右手で握手しながら、左手で殴る準備」をして付き合っていくべきだと考えています。ロシアのエネルギー資源や中国の労働力とは違う、高度な知識を持った人材を吸収・利用していくのは日本にとっても重要なことだと思いますしね。


しかし、一方で忘れてはならないのは領土問題です。私は経済関係を結びつつも、領土問題に関する立場を忘れてはならないです。また、ロシアが日本にとって明治維新以来の安全保障上の脅威であることも忘れてはならないと思います。私は、だからこそロシア、特にバイカル湖以東の極東地域での日本の経済的な影響力を拡大させる必要があると考えています。
タグ:ロシア
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