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脱原発と日本のエネルギー政策 [そのほかニュース関係]

東日本大震災とその後の福島第一原子力発電所における事故以後、日本のみならず世界中で脱原発の声が日に日に高まっている。ドイツではメルケル首相が脱原発を宣言。また、イタリアは国民投票で90%以上の反対票により脱原発が確定した。日本国内でも脱原発を求める声がある。


まず、欧州における脱原発の動きで忘れてはならない事実はドイツもイタリアも原発大国であるフランスから電力を購入している事実である。つまり両国とも自国内では脱原発しているが、本質的な意味では「脱原発」していないのである。フランスでも脱原発を求める声は高まっているが、フランスにとって原発が発電する電力を欧州各国に販売することは「主力産業」とも言うべき収入源だから、脱原発に政策転換することは難しいだろう。


では、日本では脱原発は可能であろうか?
まず、日本は島国であるから、他国から電力を購入するのは難しい。また、たとえ他国からの購入が可能であったとしても、日本の周辺国といえばロシアや中国、韓国である。現実的に安全保障上の脅威を持っている国であることを考えると、これらの国から電力を購入するのは難しい。
また、日本は四季の変化がある国だ。裏をかえせば気候が安定しないのだ。そうなると太陽光発電や風力発電も安定した電力供給源としては難しい。太陽光発電の導入が進んでいるのは中東の砂漠のような「昼間は雨がほとんどふらず、天候が安定している国や地域」である。風力発電も同様に北海海上のような「強い風が安定的に吹いている地域」である。その点からいえば日本は一時的な太陽光の強い時期や風の強い時期はあるが、それは年間とおしてというわけではない。つまり、現段階で自然エネルギーに頼るのは難しいと考える。


ただし、別の観点(日本は自然災害リスクが高く、あまりに原発を有するのはリスクが高すぎる)から言えば脱原発の流れに私は反対しない。もし脱原発を目指すなら、これ以上の原発の新造は行わず、既存の原発は耐震・耐津波対策をしっかりした上で寿命(あと20~40年)使うべきであろう。その間に新エネルギーの研究・開発に予算と人員を注いでいくべきだと考える。プロセスとしては次のようになる。


①脱原発基本方針を閣議決定した上で「脱原発基本法」を制定。今後原発を新造しないことと既存の原発の耐震性強化、新エネルギーの研究・開発の促進を明文化する。

②寿命を迎えた原発は順次廃炉にしていく。新エネルギー開発(自然エネルギーやメタンハイドレートの火力発電での活用など)を促進。めどがたったものは順次試験用の発電所を建設して使ってみる。

③太陽光や風力は全国的にみても比較的発電量を確保できそうな場所には建設していく。発電量を観察し、増設などを検討していく。

④50年後には脱原発が完了する。日本の電力は様々な発電方法により賄われることになる。


と、いう方向性です。特徴としては一気に原発をすべて止めてしまうのではなく、段階的に脱原発を政策的にすすめることで、安定的な電力供給をしつつ脱原発を目指すことになる。もちろん50年の間に計画の修正なども必要になっていくが大事なのは「計画的に脱原発を目指していく」ことではないだろうか。
タグ:原発問題
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