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延坪島砲撃戦を起こした北朝鮮の意図 [北朝鮮関係]

こんばんわ。そうてんです。お久しぶりです。ニコニコ生放送やtwitterといった新しいメディアを利用するほうに力を入れ、ブログの更新をかなり長期間放置してしまいました。しかし今後は「考えた内容のまとめ」的な目的で更新をしていこうと考えております。またどうぞよろしくお願いします。


さて、23日14:30からおよそ2時間にわたって北朝鮮が韓国の北方限界線付近の領土である延坪島を砲撃。170発の砲弾を発射し、うち80発程度が陸地に命中。一部は民間施設にも着弾し、韓国軍兵士2人が死亡。16人が重軽傷を負う事態となりました。また民間人2人の死者も出しました。

今回の砲撃は今までの海上や軍事境界線における銃撃戦とまるで違います。民間人が住んでいる島に対して170発もの砲撃を加えるという行為は明らかに軍事的挑発の度を超え、戦争行為といっても過言ではありません。


ここで考えなくてはならないのは、このような行為を行った北朝鮮側の意図です。
今回の砲撃事件に関しては「軍部の暴走」という話も出ていますが、秘密警察(国家保衛部)が常に監視しているような国で軍部単独でこれだけの行為を行うのは大変難しく、北朝鮮最高指導部の指示の下に行われたと考えて間違いないと思います。また、北朝鮮は今回の砲撃の理由に関して「韓国側が行っている軍事演習が北朝鮮への侵略を意図したもので、自衛行為である」と主張しています。しかし、今回の軍事演習は定期的に韓国軍が行っているものであり、北朝鮮の主張はとても成立しません。

次に考えるべきは「外交的手段としての砲撃だったのか、何らかの国内事情に配慮した砲撃だったのか」です。これは今回の砲撃が韓国やアメリカに向けたメッセージなのか、それとも国内の様々な政局に対応するためのものだったのか、という点です。結論から書くと、私は国内仕様に配慮したものだと考えています。北朝鮮は今回の砲撃がなければ25日に南北赤十字会談が行われ、おそらくは食糧援助等が決まっていたことでしょう。しかし、北朝鮮はそのチャンスを自ら葬ってしまったのです。また、今回の砲撃でアメリカのオバマ大統領や中国共産党指導部は腸が煮えくり返るほど怒っていることでしょう。アメリカにしても中国にしても共に面子を潰されたことは間違いなく、アメリカは横須賀にいる空母ジョージ・ワシントンを黄海へ派遣することを決定し、すでに出港しています。明らかに北朝鮮は外交上自ら自分を危険な立場に置いてしまったわけです。

そうなると今回の北朝鮮の砲撃は国内的事情としか考えられません。
北朝鮮は現在権力の移行期に入っており、金正日総書記から三男・金正恩氏への権力の移譲を進めています。しかし、そこで問題になるのは軍部の人事です。いくつかの報道を勘案するとかなり大きな人事異動があったという話があります。と、なると考えられるのは金正恩氏の後継体制を磐石にするために「戦果」を作ることを必要としたと考えるのが妥当と考えます。


しかしそうなると今の北朝鮮は「外交的事情ではなく、国内的事情を優先して外交を行っている」ということになります。もちろんその傾向は数年前からありました。しかし今回の砲撃は明らかに度が過ぎています。今までも何度か書いている通り、東アジア情勢における北朝鮮という場所は「米国と中国、ロシアの緩衝地帯」としての役割を果たしており、北朝鮮自身もその事実をしっかりと理解しています。だからこそ、中国がやってほしくないようなこともやるのです。「援助してくださいお願いします」という態度ではなく、「援助してくれなかったらアメリカに擦り寄るぞ!いいのか!?あぁん?」という態度です。今はそれで成功している側面もあります。しかし、その冒険的精神が大国のプライドを傷つけているのは確実であり、もしかしたらそれが北朝鮮自身の寿命をより短くするかもしれないのです。
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