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これは悪質なテロであり、許されない。 [国内政策全般]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000186-jij-soci


昨日はいった衝撃のニュース。昨日午前中、元厚生省事務次官の山口剛彦さんとその奥さんが自宅で殺されているのが発見され、その日の夕方には元厚生省事務次官の吉原健二さんの奥さんが宅配便を装った男に刺されて、重傷を負う事件が発生しました。


この2つが同一犯の犯行なのか、または別個の事件なのかはわかりません。ただ、玄関先で刺された点や元厚生省事務次官が狙われている点、2人とも年金基礎番号導入にかかわっている点を考えると、この2つには何らかの関連性がある、と考えて間違いないと思います。


昨日からこの事件に関するいくつかのブログやmixi日記を見ていますが「刺されても仕方がない」とか「天罰」とか書かれたものを見かけます。さらに昨夜の報道ステーションで、この事件を伝えた後の古館さんの発言が「年金制度や後期高齢者医療制度はどうなのか?」という発言に終始していました。

今回の事件が別個の事件であれ、連続したものであれ、年金制度や社会保障制度に不満をもった者によるテロ行為だったとするなら、その犯人は決して「義士」などではなく「民主主義の敵」だと考えます。


歴史上、民主主義国家において時代の閉塞感、停滞感が強まるとこのような政治家や官僚を狙ったテロ事件が発生します。1930年代、世界恐慌のあおりを受けた大不況と、政党政治の混乱(立憲政友会などで汚職が頻発。逮捕者も出た)で政治が停滞したときにも血盟団事件のような政治家や企業家の暗殺が発生し、それがやがて5・15や2・26のような軍部によるクーデターを招きました。

このとき、国民はこのテロを容認しました。政治の停滞や経済の混乱を前に、国民はこのテロリズムを容認してしまったのは事実です。戦前の民主主義を崩壊させた責任は軍部ではなく、その軍部や血盟団のような政治的テロリズムを容認した国民にあると思います。


そして、今回の事件。まだ政治的テロかどうかははっきりしていないとはいえ、すでに今回の事件を「年金制度をおかしくしたせいだ」などと考えて、容認する考えが出ていると思います。私の印象では、昨日の報道ステーションもそんな風潮に乗っていたように思えます。「テロリズム」に対する批判よりも先に「年金問題や社会保障制度」に対する批判を先にしていましたから。


これがテロだとするなら、マスコミは「いくら政策に不満があるとはいえ、それを言論や投票行動で示すのではなく、テロリズムによって示そうとするなら、それは民主主義国家である日本のためにはならず、むしろ脅威である。」とはっきりいうべきではないか、と思いますね。そして、捜査機関には早急に犯人を検挙し、民主主義に対するテロリズムには断固とした姿勢で応じることを示してほしいと思います。
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tonta


これの問題はマスコミの対応だと思います、国民の不満を助長すればいいと判断したのでしょうか?

マスコミもテロリズムを助長するのでなくもっと別の方法があるのではないでしょうか?
by tonta (2008-11-19 20:09) 

そうてん

>>tonta様
マスコミには「国民に正しい情報を伝える」義務があります。これは民主主義国家において重要な機能です。しかし、今回の報道を見ていると「殺人はいけない。しかし年金制度は~」とつけてしまっている。今はそれはそれ、これはこれ、でこのような卑劣なテロ行為を非難すること一点に集中するべきではって思いますね。
by そうてん (2008-11-19 22:31) 

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