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世界金融危機(1)~ここまでの経緯~ [アメリカ・ヨーロッパ・ロシア関係]

皆様お久しぶりです。そうてんです。


しばらくこちらをほうっておいてる間に世界経済は大変なことになっていました。9月15日のリーマン・ブラザースの破綻に始まり、9月29日の米国下院における金融安定化法案の否決による世界的株価大暴落。そして現在の実体経済への影響懸念などこれは金融危機というよりも『第二の世界恐慌の始まり』といってもいいレベルになってきました。そこで、ここまでの状況を少しまとめてみようと思います。


そもそもの話の始まりは1990年代にアメリカでおこった住宅バブルです。この住宅バブルはわかりやすく言うと「信用度の低い人(返せなくなる可能性が高い人)でも簡単に住宅ローンを組むことができる」状態ができたことで生まれたものです。これを助けたのがサブプライムローンなのです。
このサブプライムローンは住宅ローン会社がその債権を投資銀行(証券会社)に販売し、これが証券化され、信託投資の商品として販売されたことで世界中にばらまかれることとなります。しかし、去年からこのサブプライムローンを返せなくなる人が急増。住宅価格は急降下を始めます。アメリカではたとえローンの支払い残高があったとしても、住宅を売ってしまえば返済義務が消滅するようになっています。ですから、返済できなくなって大量の住宅が売りに出され、結果として住宅価格が急降下したのです。


9月3日、アメリカ政府はファニーメイ(米国住宅抵当公社)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)に対して最大で5兆3000億ドルもの公的資金を投入すると発表しました。この2つの公社債は米国債に次ぐ信用度を持っていたため、行ったいわば臨時の措置でした。
しかし、9月15日。アメリカでトップ5にはいる投資銀行リーマン・ブラザースが破綻。金融不安が世界中に拡大します。ここまではアメリカ政府は金融機関に対して個別対応を行ってきましたが、金融不安の拡大により画一的に動けるような制度が必要になります。そこで出されたのが金融安定化法案だったのです。これはすぐに通るものだと考えられていました。しかし、9月29日、米国下院はこれを否決。これに驚いた世界の主要市場は混乱し、株価が大暴落します。

このとき否決された理由は米国下院は選挙が近づいており、有権者の反応、つまり「なんで俺たちをだました銀行を助けるんだ!」という声に敏感に反応したからでした。

金融安定化法案はその後10月3日に成立したものの、金融不安は収まりません。一方ヨーロッパではEUの足並みが乱れ、特にドイツではメルケル首相が「銀行への公的資金の投入はしない。」と断言した翌日にドイツの不動産金融最大手ヒポ・リアルエステートへの公的資金による支援を発表するなど混乱に拍車をかけていました。


まず、1929年の世界恐慌の時アメリカは何の手も打ちませんでした。これは「経済に政府が介入すべきではない。」とする古典派経済学が主流だったからです。これが結果として不景気を全世界に拡大し、世界恐慌を招いたのです。しかし、今回はケインズ型経済政策による金融機関への公的資金の注入などが10月の段階で行われるなど、比較的早いスピードで政府が対応しています。だから、「まだ」実体経済への影響が押しとどめられているといえます。


しかし、すでに実体経済への影響は始まっています。トヨタ自動車は北米での販売不振を理由に非正規雇用の社員の解雇を開始しています。また、米国ビック3(GM,フォード,クライスラー)もこれから人員削減を開始するといわれ、一説には3社合計で300万人を超える失業者が出るといわれています。


今回の金融不安は「日本のバブル崩壊より早い世界的金融バブルの崩壊、かつ、1929年よりもゆっくりと世界経済を侵食していく世界恐慌」だと思います。そしてこれはまだ始まりにすぎないと思います。実体経済への影響もこれからですし、何より欧米金融機関がどれだけの損失を持っているのかも把握できません。一体これからどうなるのか、まさに「神のみぞ知る」なのです。
タグ:経済 金融
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tonta

お久しぶりですね!お元気でしたか?

約一か月ぶりですね!(^-^)



by tonta (2008-11-10 19:28) 

そうてん

>>tonta様
お久しぶりです!
にゃっぽんやmixiばっかやっててここ全然更新してませんでしたw
最低でも一週間に1度は更新したいと思ってるんでよろしくです♪
by そうてん (2008-11-11 02:06) 

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