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チベット問題 [中国関係]


こんにちわ。最近全然更新してなかったのは、帰省したりと忙しかったからです。

さて、今週1番大きなニュースといえば、やはりチベット自治区・ラサでの大規模な暴動でしょう。いちおうチベット問題に関して簡単に説明しておこうと思います。現在のチベット自治区は総人口の95%以上がチベット仏教の信徒である地域です。元々は法王(ダライ・ラマ)を中心とする国家を形成していましたが、18世紀に清国の支配下にはいりました。しかし、1911年の辛亥革命に伴って清国からの独立を宣言。1951年にダライ・ラマを首班とする自治政府が誕生しますが、これを中国共産党は独立を認めず、チベット武装勢力と人民解放軍による大規模な戦闘へと発展し、ダライ・ラマ14世はインドへと亡命しました。

さて、中国は実は米国以上の多民族国家といえます。現在、中国国内には55の少数民族が存在し、5つの自治区と自治州・自治県に分かれて居住しています。現在の中国共産党の方針では各民族自治区域は『領土の不可分の一部として政府の統一指導下にある。』とされています。しかし、興味深いことに、中国共産党はその誕生初期の段階では『諸民族の民族自決権』を積極的に掲げ、緩やかな連邦制国家を主張していました。それが様々な歴史的要因を重ねた結果、現在の中華人民共和国が誕生しました。

ダライ・ラマ14世自身は実はチベット自治区の独立を主張していません。彼はあくまで『より高度な自治』を求めているだけです。いうなれば、アメリカの州のような権限を求めているわけです。しかし、中国はダライ・ラマ14世のことを『国家を分裂させようとするもの。』と呼びます。しかも、温家宝首相はダライ・ラマとの対話について「チベットの独立放棄と台湾が中国の不可分の領土であることを認めること。」を条件に出しています。これは対話などではなく、全面降伏を宣言しろ、と言ってるのに等しいです。しかも、ほかの領土問題に関する発言には慎重なダライ・ラマ14世に台湾問題に関する発言をさせようというあたりに中国共産党の悪辣な面が出てきていると思います。

オリンピックをあと五カ月後に控え、中国国内にくすぶっていた様々な火種が一気に燃え上ってきています。少数民族問題、都市と農村の巨大な格差、人権問題・・・。このマグマはもはや収まるどころかさらに巨大に噴き出す可能性があると思います。チベット問題に関してまだ日本政府は特に何も言っていません。アジアの民主主義国家の1人として、チベット問題に対する中国政府の対応に一言言うべきではないでしょうか。
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