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参院選:年金と同じくらい重要な安全保障問題 [選挙・政党・政局]

こんばんわ。風呂上がりのそうてんです。

いよいよ決戦の日が迫ってきた参院選。各党や団体、マスコミの動きも一段と活発化してきました。

さて、どこの政党の主張を見ても『年金』『格差』『政治と金』の問題の話にばかり集中し、『外交・安全保障問題』が置き去りにされているように思われます。

たとえどんなに優秀な社会保障制度を作り、政治家・官僚による税金の無駄遣いをなくす方法を編み出したとしても、それは東京にミサイルが一発落ちただけ、日本が他国からの侵略を受けただけであっという間に消滅してしまいます。目に見えない問題ですが、安全保障問題もまた選挙の争点にすべきだと思います。

北朝鮮問題はアメリカがイラク問題でもたついたために、対決姿勢から一転、重油提供の開始など事実上94年の米朝枠組み合意の時代に逆戻りしたといえます。北朝鮮はすでに核兵器を保有しているとみて間違いないです。これでは拉致被害者の奪還以前に日本の安全保障自体が脅かされる状態となっています。

中国問題にしても、人民解放軍の戦力増強ぶりはすさまじいものです。最近では空母の保有や潜水艦の増強といったハード面での増強だけではなく、陸海空軍の統合作戦能力の向上といったソフト面での増強にも力を入れており、2010年までに台湾の軍事力を超える、つまり短期決戦で台湾を制圧できるだけの戦力を保有するわけです。もちろん、その軍事力が現在の日本に向けばどうなるか、は想像に難くはないでしょう。

北、つまりロシアにしても好調な経済力を背景に、『強いロシア』を目指すプーチン大統領は北極海だけではなく、太平洋方面の軍事力強化にも熱心で、近年ではシベリアに眠っている莫大な量の天然資源を背景に強気な外交を続け、かつての敵であった米国にも多くの石油を輸出しています。

南のほうだって安泰ではありません。フィリピンは現在は安定しているとはいえ、軍のクーデターやイスラム原理主義過激派勢力によるテロの危険にいつも晒されています。この地域が不安定化して場合、南沙諸島や西沙諸島での領土問題を抱える中国が動かないとも限りません。

このように、日本の周辺には安全を脅かすような状況が転がっているのです。これに対応するためには『経済力を背景にした交渉』つまり人道援助などで恩を売るような従来の外交だけではなく、『武力を背景にした外交』つまり相手国が日本に危害を加えることを躊躇させる程度の戦力を保有しなくてはなりません。

にもかかわらず、今回の参院選ではその部分が全く争点になっていません。これからの日本の安全保障をどうするのか?今まで通り大部分の軍事力を米国に頼るのか? それとも独自の軍事力を持つことを進めていくのか? 国防のために核兵器を持つべきか? 持つべきでないのか? そこもちゃんと争点化し、議論すべきではないでしょうか。

 


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ししゃも

いつもお世話になっております^^

>>たとえどんなに優秀な社会保障制度を作り、政治家・官僚による税金の無駄遣いをなくす方法を編み出したとしても、それは東京にミサイルが一発落ちただけ、日本が他国からの侵略を受けただけであっという間に消滅してしまいます。

↑ここ、名文だと思います。少なくとも自分が知っている選挙で安保が争点になったことは無い気がします。1960年代なんかは争点になっていたんでしょうか?9条改正なんて安保とは言えないしなぁ・・・。

ではまた~^^
by ししゃも (2007-07-25 22:00) 

そうてん

いつも御贔屓におりがとうございますw
>>たとえどんなに優秀な社会保障制度を作り、政治家・官僚による税金の無駄遣いをなくす方法を編み出したとしても、それは東京にミサイルが一発落ちただけ、日本が他国からの侵略を受けただけであっという間に消滅してしまいます。

この部分は私が国防政策と福祉政策の現在の日本での優先順位を聞かれた場合の回答でもあり、考え方の根底の1つともいえるものですね。

1960年代は全学連や全共闘の時代ですから、日本の安全保障をどうするか、よりも親米か反米かみたいな部分がありましたからね。日本の安全保障が真剣に考えられ始めたのはつい最近ですからね。
by そうてん (2007-07-25 23:04) 

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